Story01 時代を先読みした選択

東名化学工業は1965年に創業、グラビア印刷から始まり、1968年から容器の成形も担うようになりました。
ライフスタイルや食文化の変化とともに成長してきた会社です。
ときには厳しい現実に直面しながらも突破口を見つけるまで諦めず、もっと提供する製品の価値を高めようと努力し、
ビジネスチャンスを逃すことなく着実に歩んできました。

お客様の要望に応える開発に挑み、
透明耐寒PS素材のパイオニアへ。

素材の創出というビジネスソリューション。

高度経済成長により日本の化学工業は急成長し、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン(以下、PS)素材のプラスチック製品の流通が急増していました。その中でも、当時の食品包装容器には、加工がしやすく安全性の高いPS素材が多く使われていました。ただし、PS素材には「透明性」に優れたもの、もしくは「耐衝撃性」に優れたものはあっても、双方を兼ね揃えたものはありませんでした。そのため冷菓(アイス)業界からは特に双方を兼ね備えたPS素材が熱望されており、ニーズに応えるべく、東名化学は新素材の創出に挑みます。

素材の配合やシートの押出しなど幾度も調整を繰り返した末に、シート供給を行うグループ会社・中央商興(株)と共同で「透明度の高い、耐衝撃性に優れた透明耐寒PS素材」の開発に成功しました。時代を先読みした透明耐寒PS素材の開発は、冷菓メーカーの要望を満たすことができました。
その後、お客様と共に奮闘した“シュリンクフィルムでの容器印刷”を成功に導く、ラベル貼りができるようアイス容器を工夫する、遮熱効果のあるダブルカップを考案するなど、消費者の利便性をお客様と共に追求しています。様々な開発、提案をしながら、アイス業界とのご縁は今日も続いています。

エンドユーザーまで意識した製品づくりを目指して。

“カップ麺”急成長の波に乗れ!

今日、全世界で親しまれている“カップ麺”は、日本が発祥とされています。1960年のインスタント時代から1970年の大阪万博以降、カップ麺は驚異的に需要を伸ばし、その容器も多様なバリエーションが誕生しました。
そこで、「深絞り」の容器成形を得意としていた東名化学は、焼きそば型やうどん・そばの和風麺に合わせた、どんぶり型の容器生産を担っていきます。また、もともとグラビア印刷のために製版を内製化していたことで、容器の曲面印刷にも柔軟に対応でき、どんぶり型容器のシェアが飛躍的に拡大していきました。

シェアの拡大にあわせて品質の管理と追求、供給の安定をさせるため、東名化学は材料供給を行う中央商興(株)と製品の運搬を担う東名輸送(株)をグループ内に携え、一貫生産体制を築きました。さらに、原材料生産から成形までを一連で行う“インライン化”、技術開発や新型成形機による“生産性の向上”に努め、価格還元を目指して日々取り組んでいます。消費者の安心のために食品業界の厳しい基準を満たす生産体制は、医薬品や衛生用品など多様な業界の要求にも対応する力をつけています。

得意先やエンドユーザー、時代を見据えて、
世の中にとって良い製品を送り出していく。
それが創業から今も続いている、
東名化学の精神です。